出口の無い部屋

要はマジカオス。 初めていらっしゃった方はカテゴリーの〈はじめに〉をお読みください。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

【ねぇ わたしはちゃんと上手く笑えた? 前編】 

一部体験談だったりする。
サンダーソニアのその後だったりする。
ラストから季節は変わり、秋口ぐらいだったりする。
ラストって季節何時だったろうと思ったりする。

「私たちのとこ切り離したら、ツーショだね!」

素で「は?」と呟かなかったのは幸いだった。


ねぇ わたしはちゃんと上手く笑えた? 前編


 ことは先週の火曜まで遡る。
 いつものように(いつもになってるのが納得いかないが)昼休みに屋上で昼食を矢賀優一ととっていると、彼がぽつりと思い出したように言った。
「ヤベ、今日リレーの召集だったか」
 週末には体育祭があった。わたしはそのことだとすぐに理解した。
 体育祭なんてどうでもよかったので何も言わずにプチトマトを食べていると、遅れてしまったが行く気なのか、立ち上がる彼は振り返って言った。
「たまには走れよ、オヒメサマ」
 いつもならば人混みが煩わしくてサボタージュするわたしにこう言ってのけた後、彼は屋上を立ち去った。

 わたしはあまりにムカついたので、体育祭に出ることにした。
 男女対抗の――当然だが、男子には多くのハンデが課される――珍しい体育祭だ。

 人が多くて、夏の名残りのような日光がきつくて、頭がクラクラしたことを覚えている。
「うーん、ウチら少し負けてるね」
「でも、このリレー点数高いし!」
「虎橋さん、女組(めぐみ)として男女対抗リレーがんばってね!」
「ありがとう。頑張るから」
 女組の応援団長直々のお言葉に笑うと、団長は「応援ガンバルよ!」と頼もしい答えを返してきた。

「アンタ、ホントに走るのか?」
 集合場所には矢賀優一がいた。わたしはてっきり追加部費のかかっている部活対抗リレーの方に出ると思っていた。しかし、彼はテニス部で一番足が速いらしいからここ一番の勝負で出てくるのは当然と言えば当然なのかもしれない。
 こちらに向けた斜に構えた視線に笑顔を見せてやる。
「うん。正々堂々いい勝負にしようね、矢賀くん」
わたしがにこにこと外向きの顔を見せると彼は眉をひそめた。
「男子はパワーアンクル取りに来ーい」
 先生の召集だ。男子にはパワーアンクルとそれぞれ25メートル多く走る。つまり女子600メートルリレー対男子725メートルリレーなのである。

『ただいまより、男女対抗リレーの選手入場です。』
 並び順から察するにどうやら矢賀優一はわたしと同じトップバッターのようだ。
「転ぶなよ?」
「誰に言ってんの」
「アンタ」
 入場中にそれだけ交わすとそれぞれスタート位置についた。
 25メートル後ろからスタートする彼を一瞥するとクラウチング・スタートの姿勢を取る。

 銃声。白煙。

 結果、わたしと彼はそれなりにいい勝負をしたらしい。そもそもわたしは体育祭が面倒だっただけで、運動そのものは苦手ではなかった。他の女子よりは速く走れる自信もあった。
 矢賀も流石は〈天才〉と言うべきか、パワーアンクルも25メートルのハンデもものともしなかったらしい。そのまま走っていたら間違いなくわたしは抜かれていただろう。

 リレーの勝敗は、女子のアンカーがバトンを受け取り損ねて男子の勝利、ひいては男組(をぐみ)の優勝だった。
 バトンのパスミスこそあったとはいえ、取りの種目を終えたわたしたちは男女関係なく健闘を称えあった。


後編へ続く。(ぇ)
〈モノカキ@短〉 | トラックバック(-) | CM(0)
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。