出口の無い部屋

要はマジカオス。 初めていらっしゃった方はカテゴリーの〈はじめに〉をお読みください。

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【葉鶏頭】 

ハゲイトウ
花言葉:不老不死。

花言葉はたくさん種類があるので違くね?とかあるやもですが。
読切りってことで@短です。

お暇な方でファンタジーおk、
かつシリアスほのぼの?おkな方
追記よりドウゾ。
葉鶏頭
 彼は不老不死なのだという。
 私と生活しているその姿からは想像もつかない。

 しかし、彼は私と何年か生活して、容貌が一向に衰えない。
 挙げ出せばキリが無いほどのことがそれを裏付けている。

 彼は不老不死、なのだという。

 老いないし、死なない。
 彼は今まで私の知らない世界をたくさん見て、
 私の知らない人たちをたくさん見てきたのだろう。
 そして、これからも。
 私が老いて、死んでいくのをこの人は見ていくのだろうか。
 この優しい人を置いて逝かなくてはならないんだろうか。

 嫌だと思う。 絶対に嫌。

 そうなる前に離れる。
 この人に一番悲しい思いをさせたくないから。
 この人の邪魔にならないと決めたから。

 でも、私がこの人から離れる、この人を突き放すなんて……。
 ああ、なんて我侭。なんて子供なんだろう。

 このまま、は在り得ないのに。
 この先、を考えなくてはダメなのに。

「どうした? 眉間に皺寄せて」
彼が、いた。私の視線の先で新聞を読んでいたはずの彼が、目の前に。
心配そうな顔。腕輪が音を立てない。
 気配を消して少し前からいたのか。
「なんでもないよ」
 取り繕った笑顔でこの人をどこまで誤魔化せるか。
「ハイ嘘。俺の目は誤魔化せないぞ。言えよ」
 黒い双眸に見つめられて逃げ場がないと悟った。
「……不老不死のこと」
「……」
 沈黙が痛い。
彼がため息をついた。
「また眉間に皺寄りそうなことを……」
それだけ言って彼は笑った。
笑ったのだ。
「そばにいろよ。――俺が逃げ出すまで」
 逃げ出すなんてしないくせに。言葉にはしなかった。

 この人の邪魔にはならないと決めた。

 だから、離れていくだろうけど

 今だけは、この笑顔の所為にして
 此処にいることを、許してください。
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